多事僧論その2　お布施のリベート?

2月11日朝日新聞朝刊の社会面に「お布施からリベート」という7段抜きの大きな記事が載りました。
ご覧になった方も多いと思いますが、葬祭業者から依頼されて葬儀を行った僧侶が、その葬祭業者にお礼としてリベートを払うことが慣習になっているという内容です。
実際に都市部では菩提寺のない家族が身内の葬儀の際、葬祭業者に紹介された僧侶により葬儀を行うことはよくあることですが、リベートが慣習化していることはありません。
大事なことは、一部の業者と僧侶とのそういう関係を、あたかもすべての寺院において当然のごとく為されていると取られかねない記事のありようです。
今回の記事も業者を特定できているのであれば名指しで告発すればよい訳で、一般論として論じることは無理があります。
こういう記事の影響で仏教の根本的な行為である「布施行」に対し偏見の目がむけられたとしたら困ったものです。
全国紙としての影響力を自覚して、根拠のない世論誘導的な記事はその良心に照らし控えて頂きたいものです。

2011年02月14日（月）｜カテゴリー：多事僧論