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仏壇の祀り方
お寺の中心は本尊様を祀る本堂です。皆様のお家の仏壇はその菩提寺の本堂を各家庭に移したものと言えます。仏壇の中には正面に本尊として大日如来、向かって右側に弘法大師、そして向かって左側に不動明王をそれぞれお祀りするのが正しい真言宗の仏壇の祀り方です。仏壇の大きさ等によって、本尊等も立派な彫刻のものから掛け軸に描かれた肖像のものまで色々ありますので、それぞれの仏壇に合ったものでいいと思います。先祖の位牌や必要に応じて過去帳なども仏壇のなかにお納めします。
そしてそれらの仏様をご供養するためお茶や仏飯をそなえ、下段には香炉を中心にして右に灯明、左に花立てを配置します。
家の中で仏壇をどこに安置すればよいか、相談をうけることがよくあります。昔は仏間のような部屋が必ずあったものですが、最近では住宅事情の変化によって家族の部屋がそれぞれ別々になっているお宅が多いようです。しかし仏壇は家族全員が集まる部屋がよいと考えます。リビングルームや場合によってはダイニングルームでもいいでしょう。要はいつでも気軽にお参りでき、折りにふれて先祖の方々や本尊様とのこころの交流が出来る環境が大切です。
戒名
仏教では人が亡くなると故人に「戒名」を授けることになります。本来この戒名は人が仏教に帰依し、仏教の教えである戒を守る誓いをたてた仏教徒としての名前です。従ってお坊さんの名前は戒名といえます。葬儀の際の引導作法は亡くなった人を仏弟子にするための作法で、実は得度式の作法です。一般的な戒名は「○○□□信士(信女)」となりますが、戒名にあたる部分は□□でその上の○○の部分は道号といいます。戒名が、亡くなったあと引導を授かった名前とするならば、この道号はその人の生前の在り様を表す意味です。信士、信女は位号といいますが仏教により篤く帰依した人には居士、大姉をつけます。
この上に院号を授けることもありますが、本来、院号は生前お寺の興隆に物心両面で尽力された方にお寺から御礼と顕彰として授けるものです。現在ではお寺に一定の御志納をされた方に院号を授ける場合があります。
お布施
布施は仏教の大切な教えの一つで、仏教徒の生きる指針としての六波羅蜜行の第一にあげられています。現在ではお布施はお金で示されますが、本来、物やお金だけではありません。物やお金のお布施は「財施」といいますが、他にも優しい顔で接して相手の心を和ませる「慈顔施」やお坊さんの読経や説法も「法施」というお布施です。大切なのは「三輪清浄」といって、(1)お布施を渡す人、(2)お布施を頂く人、(3)お布施の行為や物そのものが全て清浄でなければいけません。
以上のようにお布施は僧侶の読経や戒名に対する対価ではありません。対価でない以上、勿論相場も適正価格もありません。それは一切施主の気持ちで決まるものです。